猫の『肛門』が3つに見えたら要注意!その原因と対処法とは?
猫が甘えてくるときにお尻を見せつけるような感じで近づいてくる事が多くはないでしょうか。その時に肛門が見慣れている状態ではなかったらビックリしますよね。何故なのか考えてみました。
3つに見えるとは?
肛門嚢が破裂して、肛門が3つあるように見えている、というのが一番高い可能性だと考えられます。
お尻を見てください。肛門の両側で時計の4時と8時の位置に臭いにおいの分泌物が入っている肛門嚢はあります。
イタチやスカンクは敵を追い払いうのに、肛門嚢から臭いにおいを出しています。猫は縄張りを表すためなど、匂いでコミュニケーションを取るために使っていると言われています。
猫の症状はどうなる?
犬よりは少ないらしいですが、お尻を床に擦り付けて歩くことがあります。
炎症が酷くなると肛門嚢がふくらんできて、排泄の時に痛みのため、鳴き声をあげたり、排泄を我慢してしまいます。そうすると食欲がなくなってきて、元気もなくなってきます。
そんなときにお尻を見ると、出血していたり血の混ざった膿が出ている場合もあります。
肛門嚢炎の原因は?
肛門絞りを行わずに放置していると、炎症が起こりやすくなり、それが「肛門嚢炎」になってしまい、袋が破裂してしまうのです。
猫は排便時などに肛門嚢から分泌物が出ています。しかし、室内飼いだと縄張り争いや、敵に襲われるなどの心配がなくなり、匂い付けの必要性がないため、分泌物の自然排出ができなくなってしまうこともあります。
そのために、溜まった分泌物は乾燥して濃縮されてしまい、出にくくなり炎症がおきてしまいます。また、細菌感染等を起こして出口が塞がれてしまうと、肛門腺に溜まった分泌液が逃げ場がなく破裂します。
分泌物も、サラサラしていたり、ドロドロしていたりと、年齢や個体で差があり、ドロドロしていると詰まりやすいです。
病院へ行きましょう
肛門嚢に溜まってしまった分泌物を出すときは、肛門を圧迫するため非常に痛く、猫も嫌がります。おしりを気にし始めたらすぐにでも病院へ行き、ヒドくなる前に絞ってもらった方が良いでしょう。
傷口が化膿してしまった場合は、化膿しないように抗生剤の投与も必要になります。
そして、肛門嚢炎をくり返す時は、肛門腺絞りを自宅でこまめに行うようにしたり、もしくは肛門嚢を切除するという外科手術も選択肢の1つです。
まとめ
お尻の周りに炎症があると人間でも苦しいですよね。当然ながら猫もつらい思いをしています。
しかし、なんの症状も起きていない猫ちゃんには必要のない肛門腺絞りです。猫の様子をよく見て自己流ではなく、病院できちんと教わって、本当に必要な猫ちゃんにだけ行ってあげてください。
飼い主さんを癒してくれる猫ちゃん達の様子に注意して、食生活や健康状態など、しっかりと気を配り、猫達には楽しく元気に過ごしてもらいたいですね。
肛門腺とは?
肛門の左右(時計の4 時と 8 時の位置)にある一対の袋を肛門嚢(腺)といいます。
この中に臭いにおいの分泌物(液体からペースト状)が入っています。この分泌物が「肛門嚢液」、あるいは「肛門腺液」と呼ばれるものです。
普通は排便時に肛門腺が圧迫されて、ウンチと一緒にこの分泌物が排泄されます。ところが、生まれつき肛門腺が排泄されにくかったり、下痢などによる炎症が原因で、分泌物が排出する穴がふさがってしまうと、肛門腺液が溜まり続けてしまい破裂してしまうので、定期的に絞ってあげることが必要です。分泌物は液状でサラサラしていたり、粘土状でドロドロしていたりと様々です。色も薄黄色から黒茶色、灰色と色々あります。