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100年に1回の「太陽フレア」に警戒を!!携帯電話が不通・広域停電・GPSの精度も低下!

通信障害などが起こる可能性がある太陽表面の爆発現象「太陽フレア」について、総務省は有識者会議を開き、被害の想定や対策を盛り込んだ報告書案をまとめました。最悪の場合では、一時的に携帯電話が使えなくなったり、広い地域で停電が発生する可能性もあると指摘して、企業や行政に注意を促す警報制度の強化が必要であると指摘しました。

太陽フレアとは?

太陽フレアとは、太陽の表面に黒く見える「黒点」周辺で起こる大規模な爆発現象です。電気を帯びた粒子を含んだ高温ガスや強いX線などが放出されます。この影響で地球周辺の磁気が乱されて、通信障害や人工衛星の故障などがおこる可能性があります。

1859年にリチャード•キャリントンというイギリスの天文学者により、初めての観測が行われました。
小さなものは1日に数回は起きています。

「フレア」とは火炎(燃え上がり)のことですが、天文学的には恒星に生じる巨大な爆発現象を指しています。
現在では太陽以外のいろいろな天体でも、確認されています。

最悪なシナリオ

「宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会」が発表した報告書案では、100年に1回の頻度で起きるとされる大規模なフレアが2週間連続で発生する「最悪シナリオ」を想定しました。それによると携帯電話が通じなくなり、110番や119番の緊急電話がつながりにくい事態が各地で発生するとのことです。

人工衛星に不具合が発生し、天気予報の精度や全地球測位システム(GPS)の精度が低下します。位置情報は最大数十メートルのずれ、カーナビゲーションにも大きな影響が出る可能性があるそうです。

航空機は衛星測位を頼れなくなり、世界的に運航の見合わせや減便が多発することも想定されます。未対策の電力設備では誤作動が起きるので、広域停電が発生する恐れがあることも指摘しました。

近年も被害

フレアの被害はこれまでにも確認されています。
1989年には約600万人が影響を受ける大規模な停電がカナダで発生しました。
今年(2022年)2月には米宇宙関連企業「スペースX」が打ち上げた人工衛星49基のうち40基が大気圏に突入する被害が起きています。

総務省などによると、太陽の活動は約11年周期で活発化を繰り返していて、次の活動のピークは2025年頃と予測されています。ただ、フレアの影響は産業界でもリスクとして十分に意識されていないため、一般向けの周知もぜんぜん進んでいないようです。

宇宙天気予報士

報告書案では、太陽の活動状況に関する予報や情報発信の強化を盛り込んでいます。現在も総務省が所管する「情報通信研究機構(NICT)」が警報を出していますが、ウェブサイトやメール配信以外にも手段の多様化を進めるべきだと指摘しました。

NICTに「宇宙天気予報オペレーションセンター(仮称)」を設置して、太陽の活動で起きる「宇宙天気現象」を予測する力を強化するよう求めました。
専門知識を持つ人材の育成や、「宇宙天気予報士」制度の創設も掲げています。

宇宙天気とは、私たちの生活に影響を及ぼす宇宙環境の変化のことで、太陽フレアにより起こる高速の太陽風や高エネルギー粒子が降りそそぐのを、観測データから読み取ることができるスペシャリストが宇宙天気予報士なのです。

まとめ

人工衛星や通信、電力にも影響を及ぼすことがありる太陽フレアは、私たちの生活にとってとても脅威であるにも関わらず、日本では多くの人がその言葉すら知らないのが現状です。

誰もが携帯電話を持っていて、いろいろな情報を手に入れられる時代です。テレビやマスコミの流すニュースだけではなく、広く情報を取り入れ、生活を豊かにし、自分でできる備えをしておけると慌てずにすみますね。

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