IHとガスコンロどちらが便利?光熱費は?
IHとガスを比較して、どちらが良いのか迷っていませんか。意見が分かれるコンロの種類ですが、IHは停電が、ガスは火事がと、心配事は付いてきます。
●ガスコンロのメリット
ガスコンロの最新の機種は、着々と進化し続けています。
五徳が外せて簡単に拭けるコンロや、全口センサーが付いて安全性が高まったガスコンロも出回ってきましたね。
・高火力バーナーを利用できる
“火力”という言葉があるように、ガスコンロの最大のメリットは、2口でも3口でも、強い火で調理をすることが出来ることです。
・中華などであおりながら調理できる
当然のことですがIH製品は、鍋をコンロから離した状態での調理ができません。
鍋をコンロから遠ざける調理は、やはりガスが絶対です。
・調理器具を選ばない
“この商品はIHに対応していません”と書かれた調理用品、けっこう見かけますよね。
それに対しガスコンロは、使えない調理器具はほぼないでしょう。
・停電時でも使用できる
停電時に強いのは、やっぱりガスです。
電気に一本化すると、停電のときに全ての機器が使えなくなることもありえます。
・どの時間に使用してもガス代が同じ
ガス料金は、都市ガス・プロパンガス共に、どの時間帯に使用しても同じです。
●ガスコンロのデメリット
ガスだからこそ気を付けなければいけないことがあります。
・火を扱うため、危険
火事や火傷の原因になりがちなガスコンロ。
小さい子や高齢者、放し飼いのペットがいる家庭では、特に気をつけたいですね。
最近のガスコンロは、Siセンサーで火が消える機能がついているので、ぜひ様々なコンロの性能を見比べてみてください。
●IHのメリット
IHとはインダクションヒーティング(電磁誘導加熱)の略称です。
内部に配置されるコイルに流れる電流により、所定の種類の金属製の調理器具を自己発熱させる、加熱のための器具です。
火を使わないからこそできることを、ここでチェックしてみましょう。
・火を使わないので安全
火を使わずに鍋だけを発熱させるため、火災になる危険性は低いです。
コンロから鍋をはずすと加熱が止まる設計なので、消し忘れ防止にもなります。
・清潔な状態を保ちやすい
ガスコンロと違って平らなので、天板が拭きやすいです。
熱による上昇気流が発生することもないので、ガスに比べると油や汚れが飛び散りにくくなります。
・火の回りが早い
IHは火力が弱い、というイメージを持たれていますが、立ち上がりが早く熱しやすいため、すぐに強火にすることも可能です。
・火力を楽な姿勢で確認できる
IHコンロの火力は、画面に表示されます。
立ったままの姿勢で、火力を確認、調節することができます。
●IHのデメリット
電気調理にはできないことも案外たくさんあるものです。
便利な反面、使えなくなるときはどのような時か、把握しておいてください。
・同時に強火の調理をすることが困難
IHは電力で調理しているため、内線規程で容量が決められています。コンロを同時利用する時など、強火を使えない事があります。
油断すると、ブレーカーが落ちてしまうこともあります。
・鍋振り料理に向かない
鍋が直接IHプレートに触れていないと、火力を伝えることができません。
最近では光センサーなどを使用し、鍋振りが出来る製品も出ていますが、まだまだ種類が少ないのが現状です。
・使用できる鍋が限定される
オールメタル対応のIHにした場合はほとんどの鍋が使用可能ですが、標準のIHの場合、IH対応の鍋しか使用できないという不便さがあります。
基本的に、鉄・ステンレス鍋はOKですが、土鍋やガラス鍋はオールメタルのIHを導入しないと使えません。
・停電時に使用できない
当然ですが、停電時には使えません。
・使用直後は天板が熱いので注意
電気調理のIHは、火は発生しませんが、使用直後の天板はかなり熱いので、注意が必要です。
使用直後の天板に触れると火傷をしてしまう可能性があります。
心配な場合には、使用していないときにフタができるタイプの機種を選ぶと良いでしょう。
・昼間に使うことが多いと電気代が心配
電気代は昼の時間帯が割高な場合が多いです。
昼間に料理をすることが多い家庭では、電気代がかかるかもしれません。
料金プランを確認してみる事をお勧めします。
●卓上コンロで試してみる
使ってみないとどちらが効果的かは、実感できないもの。
リフォーム予算がまだと迷っているなら、卓上コンロで試してみてはいかがでしょうか。
卓上コンロは、お鍋や焼き肉をする時にも活躍するので、保管場所があるのなら、一台あっても良いかもしれません。
●IHとガスの電気代・ガス代比較
それぞれにかかる電気代・ガス代を比較しておきたいですね。
電気やガスの料金は、地域や電力自由化に伴う各会社のプラン、使うコンロの機種によって違います。
電気の場合、契約している電気料金プランによって、使用する時間帯によって大きく異なるケースがあります。
東京電力のオール電化向けプランでIHを使用した場合と、都市ガス、LPガスでガスコンロで調理した場合の、1kWhあたりのランニングコストを比較してみましょう。
1kWhと同等のエネルギーを消費した場合の、ガスと電気の料金は以下の通りです。
・電気の場合
(朝10時~夕方17時) 約38.6円
・電気の場合
(朝7~10時・夜17~23時) 約25.9円
・電気の場合
(深夜23時~朝7時) 約12.2円
・都市ガスの場合 約12.1円
・LPガスの場合 約21.2円
〈東京電力 料金表参照〉
深夜帯や早朝にまとめて料理するのであれば、ランニングコストは電気と都市ガスは同等と言えます。
炊事の時間が昼になる家庭の場合、IHコンロでは電気代がかかってしまいます。
とはいえ、1日の間で鍋やフライパンを加熱する時間というのはかなり限られていますから、光熱費は参考程度に、ご自宅のスタイルにマッチしている方を選んでみてください。
ガスとIH、それぞれの魅力と欠点を理解してもらえたでしょうか。
この機会に自分に合った調理の仕方や使い方を、ぜひ想像してみてください。