秋の訪れを感じる「うろこ雲」の豆知識!
各地で「うろこ雲」が広がり、秋だなぁと感じる方も多いのではないでしょうか?そこでうろこ雲のちょっとした豆知識をご紹介します。
うろこ雲とは
魚のうろこのような小さな雲のかたまりが空一面に広がったもの。空の高い所に現れるのが特徴です。うろこのがハッキリ見える時は天気が下り坂のサインとなることもあります。
また、うろこ雲はいわし雲と呼ばれることもありますが、気象学的には巻積雲(けんせきうん)の一種に分類されます。
他にも秋は、すじ雲・ナミナミ雲など色々な雲が現れやすい時期なのでたくさん空を見上げてみてください。
その1:巻層雲から巻積雲に変化したら注意!
巻層雲は、空全体をうすく覆うように現れる雲。この雲が太陽や月によって暈(かさ:光の輪のようなもの)が出来ることがあります。この巻層雲が巻積雲(うろこ雲)に変化していくと天気が崩れやすいです。
巻積雲は、上空7000~8000mのところに出現する美しく純白の秋の象徴のようなうろこ状の雲です。空気が乱れると発生するため天候悪化を予告しています。
少ない巻積雲が短い時間で空全体を覆うようになったり、雲の塊が大きくなって下がってきたら悪化の兆しです。
その2:高積雲(ひつじ雲)が増えたら注意!
高積雲(ひつじ雲)は巻積雲(うろこ雲)のひとつひとつの塊が大きくなり、雲の底が灰色がかってきた状態です。巻積雲と同様に、空気が乱れているときに現れるので、空全体に広がっていくと要注意です。
その3:ちぎれ雲は雨の前触れ!
雲がちぎれたような形のときに呼ばれる雲で、特に暗い感じの灰色の雲の下に出来ている雲は、雨の前触れです。速い速度で流れ、形の変化が激しいときは、雷雨や突然の天候悪化に注意が必要です。
その4:最も危険な積乱雲!
「入道雲」と言われる雲で、積雲が大気の不安定な状態でどんどん上空に成長し、上の部分が氷点下の高い場所に達して積乱雲になると、大雨や突風、雷雨、雹などの激しい悪天候をもたらす、最も危険な雲です。
その5:かなとこ雲に要注意!
入道雲(積乱雲)がとても発達した状態で、頭部分が広がって平らになっている雲。金属を加工する際に使う作業台のかなとこ(金床)に似ているのが名前の由来です。
雲を見分けられる?
秋の空には「うろこ雲」や「ひつじ雲」のように、次の日の天気を教えてくれる雲が多く見られます。「雨の予兆」とされているこの2つの雲はよく似ているため、見分けるのが難しいのです。一体どうしたら見分けられるでしょうか。
上空の約5000m以上にあるのが「うろこ雲」で、約2000m程の高さにあるのが「ひつじ雲」です。「うろこ雲」の方が高い場所に発生するので、小さく見えるのです。
この2つの雲が雨を降らせるわけではありません。
しかし「うろこ雲」が「ひつじ雲」に変化して、雲の隙間が無くなってくると、温暖前線や低気圧が近づいていると言えるので、雨が降る可能性が多いにあります。そのために「うろこ雲」と「ひつじ雲」は雨の予兆だと言われています。
とても簡単な見分け方‼︎
それは《雲に自分の指を重ねること》です。
手を伸ばし、雲に人さし指を合わせて、隠せない場合は低い位置の「ひつじ雲」。雲に小指を合わせて雲が隠せる時は、高い位置にの「うろこ雲」です。
「うろこ雲が出たら3日のうちに」
「ひつじ雲が出ると翌日に雨」
「うろこ雲が出たら3日のうちに雨」、「ひつじ雲が出ると翌日雨」というような、悪天の知らせとすることわざがたくさんあります。
これは7割位当たる便利なことわざです。
気象庁の天気予報の的中率が80%位ですから、近代的な天気予報にも負けないかなりの高確率と言えるでしょう。
でもこのことわざを知っていても、ひつじ雲やうろこ雲がどんな雲なのかわからないと、意味がありません。
ついでなのでこうした雲の俗称を持つ、雲の十種雲形という専門的な分類方法を見てみましょう。
十種雲形というのは、いろいろな雲を、その形と出現高度によって分けたもので、国際的に同じ分類で採用されているものです。
10種類というと細かいように思えますが、形と高さの組み合わせなので、実際はそれほど細かくありません。
雲の種類!
まず、雲の形の種類は、空全体に薄く層状に広がる層雲と、ひとつひとつが丸い塊になっている積雲の2つです。
さらに雲が現れる高さは、5000m以上の高さに現れる上層雲(頭に“巻”がつく)、2000mから7000m位の高さに現れる中層雲(頭に“高”がつく)、最も低いところに現れる低層雲の3つに分けられます。
この組み合わせで、上層に出る積雲は「巻積雲」、中層に出る層雲は「高層雲」、低層に出る層雲は「層雲」という具合に6種類があります。
さらに上空だけに現れる、層雲でも積雲でもない筋のような「巻雲」、積雲が繫がって層になっている、層雲と積雲の両方の形を持った「層積雲」、激しい雷雨をもたらし地上近くから高くそびえ立つ「積乱雲」、地上から中層までの高さで広範囲に広がる雨雲の「乱層雲」の4種類とで全部で10種類になります。